RadioMetalInterview

RadioMetalInterview

2008年11月28日に行われた、フランスのラジオ局?RADIO METALによるDeroへのインタビュー。inザールブリュッケン(フランスに近いドイツの都市)
意味が分からない箇所があると思いますが、それはフランス人とドイツ人が英語で話しているためではなく、それを英語が出来ない日本人が訳している為と思われます。
文字に起こされたものを参考にしているため執筆者の補正が入っている可能性あり。

Radio Metal:
ラジオメタルへようこそ、デロ。Oomph!はフランスでもよく知られてるけど、ラジオで聞くことはあんまりない。みんなに紹介してくれるかい?

Dero:
 そうだな。俺はOomph!のリードシンガーで、Oomph!っていうのは1989年に結成されて。フルクス(ギター、サンプリング)と、クラップ(ギター、キーボード)と、俺、デロ(ボーカル、作詞、ドラム、プログラミングその他)とでね。はじめはすごくエレクトロニカル志向で、バンド名と同じ『Oomph!』っていうファーストアルバムなんか、まさにその頃のいわゆる“エレクトロニック・ボディ・ミュージック”っていうわれるものに影響を受けてる。それに俺達はクラフトワーク、DAF、Liaisons Dangereuses、Lassigue Bendthaus、ノイバウテンなどといったバンドに影響されてた。もちろんザ・キュアーやデペッシュモードにもね。
 
 その一方ではモーターヘッドやAC/DCとか、そんな感じのもすごく好きだった。俺達はいつも思ってたんだ。この二つの世界を、俺達の青春だった「無機質でエレクトロニカルな80年代風」と「荒っぽい、ダーティーなメタル/ハードロック」を結合させたいって。それでこのバンドを組んだとき、「この二つを結合させようぜ。」て言ったんだ。

 その当時、それはまったく相容れない世界だったんだよ。ギターの音が好きなやつはサンプリングされた音やキーボードが入ったのなんか大嫌いだったし、反対に・・・電子音小僧はギターの曲なんか大嫌いだった。俺達はどっちも好きだから、そういうのはすごく馬鹿げてるし恥ずべきことのように思えた。だからOomph!を結成したとき、「こいつらを混ぜてみよう」ってことになったんだ。


Radio Metal:
よくドイツのバンドはみんなラムシュタインのパクリだって言われるけど・・・それについてはどう思う?

Dero:
 もちろんラムシュタインはこの音楽シーンの区切りの中では最も成功したバンドだよ。世界中によく知られているし。だけど俺達はあいつらより五年も前からいたんだよ・・・ラムシュタインはインタビューの中でいつも、彼らは俺達から影響を受けた、Oomph!がなければラムシュタインはなかったって言ってるぜ。

 俺達にとってラムシュタインのようなバンドに“影響を受けた”って言ってもらえるのはすごく名誉なことだよ。だけどもちろん、ラムシュタインとか―笑わないでくれよ(笑)、トキオホテルのような、ドイツ語を他の国に広めてくれるようなバンドがいるっていうのも、またいいことなんだ。こういうバンドのおかげで、今やたくさんの若者がドイツ語に興味を持ってくれてる。それがドイツの音楽シーンへの入り口になるってことさ。俺はトキオホテルのことはあんまりよく分からないけどね。俺にはちょっと若者向けすぎて(笑)。だけどそういうのがドイツにあるってことや、ドイツ語の音楽が世界中に、もちろんフランスでも認められるっていうのは、俺達にとってもいいことなんだ。

 俺達がこの界隈で“手本”のようになるのはとても嬉しい。俺達の散らした火花がでっかい炎になって広がって・・・。炎っていうのは音楽のことで、言葉はみんなが理解できる音楽ってことだ。俺達は、例えばラムシュタインなんかとはまったく違うアプローチを音楽においてとってきたと思う。ラムシュタインみたいなバンドが成功して、世界中で有名になったりするのがどうしてだか、俺にはわかるよ。俺達は正直でありたいからね。彼らは陳腐なドイツのイメージを流して広めたんだ。みんなラムシュタインが押し出すようなドイツの姿を見たがってる。だけど本当のところのドイツってのはあんなのじゃない。

 俺達にとって一番大事なのは、ステージの上でも自分達を見失わず、ウケ狙いに走らないってことだ。ラスベガスのジークフリート&ロイみたいに爆薬や炎なんかを多用した、見せかけのショウをやろうってつもりはないからな。そういうのを使っていると一番大事なこと、音楽を見えなくしてしまうんだ。コンサートに行って、終わったあとみんなが「とても面白いショウだった」っていうようなバンドがたくさんある。・・・音楽のことを話題にするのではなく。・・・映画でいうなら例えば、俺は“ポップコーンムービー”と呼ばれるような娯楽映画、特殊な効果やでっかい筋書きでねらってるやつが好きじゃない。それよりもはもっとこじんまりとした、演出に凝ったようなやつが好きだな。

 自分に忠実であることが何より大事だよ、ステージ上では。それと映画においても。フィルムの中でも自分に忠実であるべきだ。使われてる特殊効果を取り除いてみたら、あとには何も残らないって映画が多い。真剣に演技してるわけでもなく、いいストーリーがあるわけでもないからね。俺にとってはストーリーのほうが重要だ。何を伝えるべきかってことが。

 例えば俺達はよく挑発的なことをする。好んで挑発してるといえるね。でもその挑発の裏にはいつも、「なぜこんな挑発をするか」って背景がちゃんとある。格好だけの挑発だったらつまらないよ。観客だって、格好だけの挑発をされてもつまらないだろうな・・・。こんなのOomph!じゃない!ってね・・・。


Radio Metal:
ラムシュタインやメガヘルツ、アイスブレッヒャーのような他のバンドとは、どういう関係?

Dero:
 もちろんよく知ってる。フェスティバルなんかで時あるごとに会うし、互いに話もする。こういう種類のバンドはドイツでは本当に小さな家族みたいなもんだよ。俺達は互いに認め合ってるし、争ったりしない。争う理由もないからね。短い会話を交わしたり・・・例えば何回かアワードショーでラムシュタインのやつらと会うことがあって、だいたい毎年・・・。それで話して、ビールを飲んだりして、まあそんなとこかな。たいした親交はないけど。友達になれるような時間がないからな。ただ俺達はお互いに認め合っている、そういうことだね。


Radio Metal:
さっきポップコーンムービーのことを話してたね・・・。1998年のシングル “Gekreuzigt”から君達のシングルはドイツのチャートの常連になったね。“Augen Auf !”とか、エイリアンvs.プレデター2のオリジナル・サウンド・トラックになった“Wach Auf”とか。
10枚のアルバムと1枚のDVDと20年間というこのキャリアを君はどう思う?

Dero:
 そうだな・・・成長かな。人間として成長しようとするにつけて、その成長を音楽にも反映させようと試みてきた。切り開く余地がある限りは何でもかんでも。同じことを繰り返しているようじゃつまんないだろ。俺達がいつも主張してるのは、新しい局面を見たいと望んでいれば都合よくドアが開いたなんてことはないってことだ。もちろんそれは安全な方法ではないけれど・・・。安全な道を行きたければ、同じようなアルバムばかり出してることだね。みんなこういうのが好きなんだって分かったらそれを繰り返せばいい。そしたらみんなもっと好きになってくれるだろうよ!だけどそれじゃ嘘だよ。誰だってなんらかの形で成長するし、その成長を反映させるまいとすれば嘘をつくことになるから。

 だけど残念なことにいろんなシーンにおいて、ハードコアとかメタル、ゴシック、エレクトロニカルとかね、たくさんの人がいわゆる“凡俗”ないわゆる“王道”とは区別されたがって、人と違う服を着てみたり、人と違う音楽を聴いてみたりする。・・・けどそれはかえって彼らの音楽スタイルを反動的に、保守的にすることになる。

バンドの進化を嫌がる人は本当にたくさんいるよ!全世界の進化をね・・・。じゃあどうしてバンドは成長しちゃいけないんだい?不確かな安全性をみんなに見せるために?(笑)安全なことなんてないよ。自分が成長するときは正直でなくちゃ。時として別の顔を見せたり、違った形の感情をぶつけてみたりすることもだよ。たったひとつやふたつの感情ばかりテーマにしてるバンドが多すぎる。攻撃性、怒り、嫌悪・・・だけどそれだけの人間なんていないだろ?それじゃ一次元なみに薄っぺらい、ただの馬鹿だぜ・・・。

 当たり前だけど、複雑な人間ほどいろんな局面を持ってる。みんな時として悲しくなるし、しょんぼりしたり、憂鬱になったり、嬉しくなったりがっかりしたりするだろ。・・・人間性っていうのはもっと複雑なものだと思う。だから正直でありたいなら、いろんな性格を見せるべきだ。じゃなきゃ、おまえの音楽は嘘だ、ってことだよ。俺達はそうはなりたくない。俺達はこんなかっこいい仕事をして生きていたいんだ。だから嘘をつく必要なんてない。もし俺がでっかい銀行なんかで働いてたら・・・俺は嘘をつくだろうね。だってそんなの俺じゃないから。俺が自分の音楽の中で同じようなことをしても、問題ではないけど。同じことだよ、たくさんの人が仕事上で嘘をついてるから。俺は音楽に嘘をつくようなミュージシャンは大嫌いだね。


Radio Metal:
OK。歌詞について・・・愛と信仰をテーマにしたものが、君の歌詞にはよくあるね。君にとっての重要性は?

Dero:
 これらのことは人生においての三つの基礎だと思うんだ。自分の来た場所、行く場所、その中間点では何をするか(笑)・・・。けど俺はもっと哲学的な方法が好きだな・・・俺はアンチ信仰派ではないよ。だって必ず何か信じるものが必要だから。少なくとも自分の中でね。俺だって自分を信じてなければミュージシャンでいることをやめてしまうかもしれない。だから信仰は大事だよ、もちろん。でも確かに俺達は宗教には批判的だね・・・俺達にとって、疑問を持つことは答えを得ることより大切なんだ。

 だいたいの宗教においてクエスチョンマークはあまり重要じゃない。みんな真理とか、すべての疑問に対する答えとか、すべての問題について教え諭そうとしてるだけだから・・・。誰がすべてを知ってるっていうんだい?俺には分からない。・・・俺にとっては疑問を持つことが重要で、だから俺は不可知論者だと思ってるよ。自分にどんな人生が待ち受けているかは知らない。俺にはただ、自分を繁殖させるためにここにいることだけが分かっている。動物がみんなそうであるように。


Radio Metal:
いい考え方だね。

Dero:
 だろ。だけど・・・、一方で人間が人生や生活に盛り込むことっていったら願い事だろ。それが宗教の始まりだよ。もし自分を進化の一端と見ることをやめたら、・・・俺は人類はただ進化におけるほんの一部分に過ぎないと思う、それで俺達が今後も残っていくのか、思っているよりも重要な存在なのか、誰にも分からない。(笑)・・・恐竜の時代が数億年あって、人間が生きている時代はほんの点のような時間だよ。

 だから俺は、自分達が考えてるほど人間ってのが進化の過程において重要な存在だと思わない。人間はただの一部分、全世界、全生命のなかの小さな一個だって。・・・それもいい方法だよ。そういうのは恐ろしくはない。自分がそんなに重要じゃないって考えるのは心地いいね。どうして自分が蛇や、カタツムリや兎より重要なものじゃなきゃいけない?そんなのに理由はない。ただ人間が「自分達が一番だ、自分達が最も重要な存在だ。」って考えてるだけ。


Radio Metal:
OK。じゃあ・・・君はいつもドイツ語と英語の歌詞を書いてきたね。でも“GlaubeLiebeTod”からはそうじゃない。意図的にそうしたのかい?それともたまたま?

Dero:
 もっとふとしたことからかな。ただこんなふうに気づいたんだ。「母国語でこそ感じている確かなものがある」って。もっとドイツ語で書きたいって思った。多分、ドイツ語でならもっと激しくなれるんだと思う。俺の経験のほとんどがそれで培われるし。だから母国語ではとても感情的になれるだろ。でも英語だと違う。そう・・・わざと使わないようにしたわけじゃないんだ。自然とそうなった。でも英語でベスト盤を作ろうっていう計画もあるよ・・・どうなることやら!

 俺は今も英語は好きだよ、とても。ドイツ語とはまったく違うから。ドイツ語はすごく荒っぽいし、聞こえも変だし、英語の響きは音楽的でとても心地いい。だから・・・そうだね、英語の歌詞のベスト盤は出すつもりなんだ。見ててくれよ。


Radio Metal:
いいだろう。他のアーティストとデュエットしたいと思う?“Fieber”でニーナ・ハーゲンとやったみたいに。

Dero:
 ああ、もちろん。このアルバムでも一曲、“Bis zum Schluss”でMina Harkerっていう、ブラオンシュヴァイク出身の新しいバンドともしたし。“GlaubeLiebeTod”の中の“Träumst Du”ではMarta Jandováともデュエットしたし。デュエットの誘いがあったなら、断る必要がないよ。それにふさわしい曲があったらますますね。でももし英語を使うのなら、押し進める気はないな・・・気持ちしだいだ。


Radio Metal:
じゃあ“Monster”のことで。アルバムカバーを作るのに、ファンに呼びかけたんだって?

Dero:
 そう。10thアルバムではファンにも何かしてもらうのがいいと考えてたんだ。俺達のファンは刷新的だし、ちょっと変わってて、えーと・・・


Radio Metal:
倒錯的?(笑)

Dero:
 うん、まあそうだな・・・一部は・・・“Monster”っていうタイトルはそういうのにうってつけだったね。ファンからは800通りのバージョンのカバーを受け取ったよ。それを見て驚いたよ、こんなにたくさんのクリエイティブなファンがいるんだって。その中からたったひとつを選ぶのは本当に、本当に難しかった。俺達はこのテーマを、違う形でアプローチしたかったから。

アルバムにモンスターって名前をつけて、典型的な怪獣の絵をジャケットにするなんてつまんないだろ。それで結局、このイカした、謎めいてるやつにしたんだ。このカバーを見たらみんな「なんでこの男の子がモンスターなんだ?」とか「この男の子はモンスターなのか?」、「こいつは怪獣を殺したってことか?」とか、「この場面の裏には何が隠されているんだろう」とか考えるだろう?風景画に、道具に子供・・・。

 実際のところOomph!が発してるのってそういうものだと思うんだ。もっと理由を考えろ、タイトルの裏にはもっと色んな見方が隠れているぞってね。それとか、タイトルと歌詞の間にも色んな解釈の仕方があるとかね、例えば。それが面白いんだ。

 もちろん、多くのアルバムで子供時代のことを扱っているけど、それは子供時代ってのがとても重要な時期だからだ。最初の10年は人生のうち最も大切な時期・・・自分を形成して、大人としての自己を固めるための。子供時代に起こった事ってのはすべて重要だ。それは否定できない。子供の頃のことを忘れたいって願ってる大人が大勢いてもね・・・それは不可能で、・・・消しようがないことなんだ。だから時あるごとにそこに立ち返っていく。自分のなかのモンスターは子供の時に形成されたものなんだ。


Radio Metal:
いいイメージだね。・・・最後の質問だ。フランスはどう?2009年には、アルバム促進に来たりする?

Dero: 
できればそうしたいね!2年前はほんとにいいクラブツアーをしたよ。それとここ10年の間にはパリやなんかで10回ショウを演った。フランスでは二回、いいフェスティバルにも出たしね。観客も、国も、景色も俺達は好きだよ。フランスの人たちはとても素敵だし、できるだけ早くまたここで演りたいね。プロモーターと交渉しなきゃな、現地の人とも連絡つけておいてもらわないと。けどできればまたクラブツアーをしたいと思ってる。きっとイカすよ。


RadioMetal:
今日は本当にありがとうデロ。また会おう!

Dero:
ああ、またね!


インタビューの様子の動画(英語です)
参考インタビュー記事(これを訳した当初はRADIO METALのHPに英語の書き起こしが載っていたのですが、後日HPが一新されてオールフランス語になってしまいました。)
デロがよく喋るって書いてあるけどその通りですね。

12月20日追記:
歌詞のテーマについて答える箇所に誤訳があったので訂正しました。
「俺はアンチ信仰派ではないよ」以下数行の部分です。
ごんべえさん、ご指摘有り難うございます。
posted by 準之介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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